【世界大学ランキング2025】徹底解説!最新トレンドと18の評価基準 – 東京大学の順位は? – THE
世界大学ランキング2025年版の概要(THE)
2024年10月9日にタイムズハイアーエデュケーション(THE)から2025年版の世界大学ランキングが発表されました。この記事では最新ランキングの注目ポイントや評価基準について解説していきます。
大学受験、特に海外大学への関心が年々高まっています。自身の大学選び、またお子様の進路を考えられている親御様の参考になれば嬉しいです。
THEとQSの歴史
世界大学ランキングを発表している団体はいくつかありますが、その中でもイギリスのTHEとQSが作成しているものが有名です。THEとQSは2004年から2009年まで共同でランキングを作成していましたが、2010年からは独自の評価基準を持って別々での作成が始まりました。
QSの2025年版世界大学ランキングも6月に発表されているので、気になる方は記事をご覧ください。
QS World Univerisity Rankings 2025
トップ20大学 – オックスフォード大学が1位
2025年版世界大学ランキング上位大学
今回のランキングには2092の教育機関が参加しました(QSは約1500)。トップ20の大学はこのようになっています。
1位 オックスフォード大学
2位 MIT (マサチューセッツ工科大学)
3位 ハーバード大学
4位 プリンストン大学
5位 ケンブリッジ大学
6位 スタンフォード大学
7位 Caltech (カリフォルニア工科大学)
8位 UCバークレー (カリフォルニア大学バークレー校)
9位 インペリアルカレッジロンドン
10位 イェール大学
11位 ETH チューリッヒ大学
12位 清華大学
13位 北京大学
14位 シカゴ大学
14位 ペンシルバニア大学
16位 ジョンズホプキンス大学
17位 NUS
18位 コロンビア大学
18位 UCLA (カリフォルニア大学ロサンゼルス校)
20位 コーネル大学
1位はUniversity of Oxford (オックスフォード大学)。今年で9年連続首位を獲得したことになります。QSのランキングではMITが13年連続で1位を獲得しています。気になる東京大学の順位は28位でした(後ほど詳しく解説します)。
THEとQS世界大学ランキングの比較
QSとTHEのランキングを比較してみると、トップ20の顔ぶれはほとんど変わりません。THEのほうがアメリカの大学が多くランクインしているのが見受けられます。特にトップ10を見てみると、THEはイギリスとアメリカが独占している状況です。
英語圏以外の大学に着目してみると、どちらのランキングでも中国のトップ2大学(清華大学と北京大学)が20位以内にランクインしています。
最新の世界大学ランキング: 注目ポイントと傾向
今回注目したいポイントはこの5つです。
- オックスフォード大学が9年連続1位
- MIT2位を獲得しアメリカ大学の中でトップに
- 中国のトップ2大学が今年も評価上昇
- オーストラリアのトップ5大学は評価下降
- TOP200の中に新しい国が追加
評価基準については後ほど詳しく解説していますが、Research quality(研究の質), Teaching(学習環境), Research environment(研究環境), International outlook(国際的展望)とIndustry(産業界収益)の5つの分野に分けられます。
イギリス大学の順位
THEのランキングではオックスフォード大学が不動の1位で毎年素晴らしいスコアを獲っています。今年はさらにIndustry(産業界収益)とTeaching(教育環境)の評価を上げました。
もう1つの特徴が、トップ5の他の大学に比べるとInternational outlook(国際的展望)の評価が高いです。特にその中でもInternational students(留学生比率)とInternational co-authorship(国際研究)での高スコアがこの評価に繋がっています。
しかし、イギリス全体を見ると実はあまり状況が良くありません。トップ100にランクインしている計12の英国大学を見ると、平均のTeaching(教育環境)とResearch reputation(研究の評判)のスコアが2年連続で下がってしまっています。
THEのデータサイエンティストによると、要因の1つとして挙げられるのはアンケート調査に参加した学者の数が増えたことです。大学のスコアは、世界中の学者に送られるアンケート調査の回答をもとに算出されます。2020年にの回答者数が2万2000人なのに対し、今回は9万3000人と大幅に増え、それによって投票先が分散したことが一因とされています。アメリカに関しても同じく投票割合が減っている状況です。
また、英国大学は近年インフレなどによりFunding crisis(財政危機)に直面しており、それがこの状況を悪化させるのではという懸念もあります。政府などがしっかりとした対策を行うことで早く解消することを願うばかりです。
アメリカ大学の順位
スタンフォード大学が昨年の2位から6位に落ちてしまいました。この結果は、2010年のランキングが始まって以来同大学にとっては過去最低の順位となりました。原因は、Teaching(学習環境)のスコアが99から97.5に下がったこと、さらにResearch environment(教育環境)とInternational outlook(国際的展望)のスコアも落ちてしまいました。
Teaching(学習環境)の中ではDoctorate staff ratio(学術職員の博士号取得比率)が、Research environment(教育環境)の中ではResearch income(研究の収入)とResearch productivity(研究の生産性)、International outlook(国際的展望)の中ではInternational staff(外国人スタッフの割合)とInternational co-authorship(国際研究)のスコアが下がりました。
その代わり、MITが2位を獲得し米国大学の中で最高位となりました。
ハーバード大学、プリンストン大学、UCバークレーも順位を上げており、その中でも特にMITとプリンストン大学に関しては2016年からsteadyに評価を上げているので今後も注目です。
トップ100の米国大学は昨年の36校から38校に増えましたが、101から200位の大学数は過去最低の17大学という結果になっています。
トップ200大学の傾向
トップ200には過去4年間27カ国の大学がランクインしていたのですが、今年30カ国に増えより国際的な顔ぶれになりました。新しい国の1つにはUAEが入っており、アブダビ大学が昨年の200位後半から191位に上がるという快進撃を見せました。
これを後押した要因としては、Teaching environment(教育環境), Research environment(研究環境), research quality(研究の質)の分野で評価が上がったことが挙げられます。
実は今回、全ての国の中で唯一トップ200の大学が増えたは中国と日本です。中国は6大学、日本は3大学増え、それぞれ合計13大学と5大学が200位以内にランクインしました。
中国の大学が躍進: 清華大学と北京大学の成長
中国の2大大学といえば、東大京大のような感じで清華大学と北京大学と言われています。
清華大学と北京大学ともに評価は毎年右肩上がりを続けています。順位もそれに伴い毎年上がっており、2016年には40位台だったのが今年はどちらトップ10に迫る勢いです。
ただ、どちらの大学もInternational outlook(国際的展望)の評価がほかの項目に比べると低いです。これに関しては留学生比率や論文の共同執筆に関する項目になるので、英語圏が有利にはなってしまいます。東大など日本の大学もそうですが、中国の大学も今後より力を入れていく分野ではあると思うので期待しています。
東京大学の順位推移を分析
東京大学は今回28位という結果になりました。2024年を境に大幅にスコアを上げており、順位が30位台から20位台に上がっています。
Research quality(研究の質)のグラフを見てみると総合スコアと連動しているので、このスコアが上がったこと要因と考えられます。他の項目に関しては毎年少しずつですが右肩上がりを続けていましたが、Reseach quality(研究の質)に関しては2023年まで下降気味になっていたのが2024年に持ち直しました。
大学のスコアを決める18の評価基準
各大学のスコアは18の評価基準によって算出され、その総合スコア順でランキング付けがされます。
評価基準は大きく5つの分野に分けられます。
- Research quality(研究の質)
- Teaching(学習環境)
- Research environment(研究環境)
- International outlook(国際的展望)
- Industry(産業界収益)
※1項目は現在0%のカウントのため表に載っているのは17項目のみ
Research quality (研究の質)
この指標は、大学がどれだけ新しい知識やアイデアを世界に広めたかを評価するために設定されています。
Citation impactは大学が発表した論文の、世界での平均引用数です。過去5年間で約1億5700万の論文や学会での発表、本の出版などに対してされた1800万の引用をもとに算出されています。引用がされやすい研究分野とそうでない分野があるため、公平性を保つためにデータは研究分野ごとに正規化されています。研究ボリュームが大きい分野をたくさん持つ大学だけが有利にならないように考慮されています。
その他に論文の重要性も考慮されています。論文の中でも重要性の高いものとそうでないものが存在しているので、重要性が高い論文に対する引用がより評価されるように設計されています。
Teaching (学習環境)
2013年11月から2024年1月までに行われたAcademic reputation surveyに基づいて算出されています。このアンケート調査はTHEが作成しているもので、対象は学問と国に偏りがないように考慮されています。今回は過去最多の9万3000もの回答が全世界の学者から得られました。
次の世代のアカデミアを育てるという意味で大学院生の比率も指標に含まれています。博士課程は教育として最高レベルになるので、Doctorate students(博士課程の学生)が多いとそれだけ教育に魅力的であると言えます。
Institutional incomeは教員数に対しての教育機関の収入を表しています。これが大きいほど教育機関内のインフラや設備が整っているということになるので、それにより生徒と教員にとって良い教育の環境があると判断されます。
Research environment (研究環境)
Teachingと同様Academic reputation surveyの結果から算出されています。
Research incomeに関しては賛否両論があります。その理由としては、政府の方針や経済状況により研究の収入は左右されるからです。ただ専門家の意見としては、世界レベルの研究を行うためには収入は必要不可欠である上コンペティションによるものが多いので、有効な指標とされています。
理系分野は文系分野に比べて研究の収入金額が大きい傾向があるので、不公平な要素がないように各大学で持っている研究分野の比重も考慮されています。
Research productivityも機関の規模と研究分野を考慮した、学術論文の出版数から算出されています。
International outlook (国際的展望)
留学生と外国人スタッフの割合、そして国際研究を指標に大学の魅力度を測っています。QSにも同様の指標があります。
International co-authorshipは、1人以上国外の共同執筆者がいる論文が対象になっています。これもResearch qualityと同じように過去5年間のデータから算出されます。
現在0%のカウントとなっている18個目の指標であるStudy abroadはこのカテゴリーに属しています。その名前の通り留学の割合になっており、国内の生徒がどれだけ国外で教育を受ける機会があるのかを測ります。コロナの影響で現在0%になっていますが、将来的に復活する予定なので今後注目です。
Industry (産業界収益)
産学連携は現代の国際社会にとって大きなミッションとなっています。大学は企業と共に研究開発を行ったり、企業コンサルティングを行ったりすることで社会全体が良くなることを目指しています。Industry incomeはこれらのプロジェクトによって大学が得た収入を表しており、教員数に対しての収入額で計算されます。
Patentsは2023年版から導入された新しい指標で、大学の研究により獲得した特許の数を表します。調査対象になる特許機関も増えており、今回のランキングに反映されたのは43機関です。さらに増えるとより多くの大学の特許が反映されることになります。これに関しても、大学が持っている研究分野を考慮して計算されています。
イギリス大学の出願プロセス
この記事を書いている10月は英国大学の出願時期真っ只中で、モアエデュケーションではエッセイ添削や志望校選びのアドバイスを行っているところです。
英国大学へはUCASというポータルを使って出願を行いますが、その中で重要になるのがPersonal Statement(パーソナルステイトメント)です。このエッセイには志望動機や、今まで行った職業体験や課外活動について記入します。
私たちはイギリスの大学受験に強みを持っていますが、アメリカなどその他の国との併願サポートも行っているので、海外大学進学を考えられている方は是非ご相談ください。
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THE World University Rankings
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