ファウンデーションコース: 医学部進学
イギリス大学医学部への進学方法: 留学生向け
医学部ファウンデーションコースとは
「海外の医学部に行ってみたいけれど、自分の英語力や学力では難しいかも…」と感じている方もいるかもしれません。そんな方にとって心強い選択肢が、ファウンデーションコースです。
これは、海外の大学進学を目指す留学生(イギリスの大学入学に必要な資格である A-levelやIBを持たない学生)のための1年間の準備コースで、英語力の向上はもちろん、生物や化学など医学に必要な基礎科目をしっかりと学ぶことができます。直接医学部に進む前にこのステップを踏むことで、自信を持って本格的な医療の学びに進むことができるのです。
ファウンデーションコースとは
ファウンデーションコースは、主に日本の高校を卒業した生徒が、イギリスの大学に進学するために必要な準備をするための1年間のプログラムです。このコースでは、大学での学びに必要な英語力や学問的な基礎力を身につけることができます。イギリスの大学入学に必要な資格を持っていない日本の高校卒業生にとって、ファウンデーションコースは大学に進学するための架け橋となる重要なステップになります。
イギリス大学の医学部の特徴
医学の道を志す日本の学生にとって、イギリスは非常に魅力的な進学先です。世界大学ランキング上位の名門大学が提供する医学教育は、最先端の研究と実践的な学びが融合した質の高いプログラムで知られています。
イギリスの医学部で取得できる医療資格(MBBSやMBChB)などの学位は、英語圏をはじめ世界中で高く評価されており、卒業後にはオーストラリアなど、国際的な舞台で医師として活躍する道も開かれています。また、PBL(問題解決型学習)を通じた主体的な学びや、早い段階からの臨床実習を通じて、科学的思考力や診断能力、コミュニケーションスキルなど、実際の医療現場で求められる力をバランスよく身につけることができます。
このページでは、A-levelやIBといったイギリス大学入学資格を持たない日本の高校生でも入学できる「ファウンデーションコース」について解説しています。モアエデュケーションの生徒も通う、信頼のできる学校を紹介します。
残念ながら、世界大学ランキングTOP10〜20にランクインするオックスフォード大学、ケンブリッジ大学、インペリアルカレッジロンドン、UCLなどの大学はファウンデーションコース経由の医学部進学を認めていません。これらのトップ大学を目指す方はA-levelを取得するのが一番の近道です。高校卒業後にA-level資格を取得して医学部進学できるコースについても書いているので、ぜひ読み進めてみてください!
イギリス大学医学部の特徴
ファウンデーションコースを修了すると、医学部への進学が可能になります。 イギリスの医学部はMBBS(Bachelor of Medicine, Bachelor of Surgery)またはラテン語表記のMBChB(Medicinae Baccalaureus, Baccalaureus Chirurgiae)と呼ばれています。これらは同じ資格、カリキュラム内容ですが、大学ごとに名称が異なります。
イギリスの医学部は通常は5年ですが、大学によってはIntercalationといって1年間で他専攻の学位を取得するプログラムが含まれており、その場合は6年になります。ファウンデーションコースは1年間なので、卒業するまで全部で6年または7年になります。

イギリス大学医学部: ファウンデーションコース
King’s College London (キングスカレッジロンドン)
International Foundation Programme Health, Life & Biosciences Pathway
コース概要
- 健康科学、心理学、スポーツ&運動医学、医学や歯学へのファウンデーションコース
- 必修の授業に加え、生物・化学・数学など、自分の進学希望に合わせて学習可能な授業構成
- キャンパス:ロンドン中心部のテムズ川北岸に位置 するStrand Campus(ストランド・キャンパス)
サポート内容(一例)
- パーソナルチューターが付き、学業の進捗や進学相談、ロンドンでの生活に関するアドバイスを、定期的な個別面談を通じて受けらる。
- ファウンデーションプログラムを修了し、学部課程に進学した先輩学生と個別に面談し、学業や大学生活に関する質問やアドバイスを受けることができる。
進学可能なコース(一例)
ファウンデーションコース修了後、特定の成績をを満たすと、キングスカレッジロンドンの以下のような学部に進学可能です:
- Medicine(医学)
- Dentistry(歯学)
- Biomedical Science(バイオメディカルサイエンス)
- Global Health & Social Medicine(グローバルヘルス&社会医学)
- Psychology(心理学)
ファウンデーションコース入学要件
- 学歴: 高校卒業(12年間の学校教育)または同等レベル。
- 英語力: IELTS 6.0以上(各スキル5.5以上)または同等レベル
- 学部に直接入学できる資格を持っていないこと – A-levelやIBを履修/修了している方は出願不可
- 高校の最後の年でChemistry (化学)とBiology (生物)を履修していて、且つ好成績を収めていること
- Work experienceの実績があること
※医学部への入学を果たすには、更にファウンデーションコースでの要件を満たす必要があります
ファウンデーションコース年間費用(2025-2026)
授業料: £26,300
寮費: £9,800 – £15,760
出願料(返金不可): £75
【参考】キングスカレッジロンドン医学部の年間授業料: £53,000
INTO London (INTOロンドン)
International Foundation in Medicine and Health Professions
コース概要
- INTOは、留学生がイギリスの大学に進学するための準備コース(ファウンデーションコースやA-levelコース、英語語学コース)を提供する教育機関です。
- 進学ルートはMedicine/Dentistry route(医学・歯学)またはHealth Professions route(医療専門職)から選択可能
- キャンパス: ロンドン中心部、Liverpool Street駅から徒歩約5分の便利な立地
サポート内容(一例)
- Medicine routeの学生はイギリス大学医学部での面接が保証される*
- 面接準備やパーソナルステートメント(志望理由書)作成のワークショップを実施
- 医師や医療専門職によるゲスト講義が受けられる
- 大学出願の全過程で手厚い個別サポートあり
*医学部進学そのものが保証されるわけではなく、面接の結果やUCAT(医学部の統一入学試験)などによって決まります。
進学可能な大学(一例)
- University of Exeter (エクセター大学)
- University of Birmingham (バーミンガム大学)
- Brunel University London (ロンドン・ブルネル大学)

ファウンデーションコース入学要件
- 学歴: 高校卒業(12年間の学校教育)または同等レベルで、成績が優秀であること
- 英語力: IELTS総合スコア6.0以上(ライティング6.0以上、他の技能は5.5以上)、または同等の英語資格
ファウンデーションコース年間費用(2025-2026)
授業料: £26,245
寮費: £13,226 – £16,727
入学料: £250
【参考】イギリス大学医学部の年間授業料: 約£50,000
Kings Education (キングスエデュケーション)
コース概要
- 英語力向上、コアスキル(大学学習に必要な基本スキル)、専門科目、課外活動(実務経験)の4要素を組み合わせたファウンデーションコース
- 週約25時間の授業に加え、個別指導、課外活動を実施
- キャンパス: London(ロンドン), Brighton(ブライトン), Bournemouth(ボーンマス), Oxford(オックスフォード)の4つ
サポート内容(一例)
- 経験豊富なカウンセラーが個別で進学プランや志望校選びを丁寧にサポート
- 実践的で多彩な課外活動を通じて、医療現場での経験を体験

オックスフォード校は、近隣にあるオックスフォード大学のラボを使った授業を行ったりと、大学さながらの環境での学習ができます。
コース進学可能な大学(一例)
- University of Bristol(ブリストル大学)
- Keele University(キール大学)
※医学部はイギリスでも最も入学競争が激しい学部の一つで、成績だけでなく面接や志望理由書、医療現場での経験など多くの条件が求められます。そのため、Kings Educationなどの進学準備コースを修了しても、医学部への進学は保証されるわけではありません。
ファウンデーションコース入学要件
- 学歴: 高校卒業(12年間の学校教育)または同等レベル。Biology (生物)とMaths (生物)のGCSEで、最低グレード5以上、または同等の資格*。
- 英語力: IELTS 6.5以上(リーディングとライティングは6.0以上)または同等の英語資格。
- 入学前(Pre-sessional)のオンライン医学コースを受講が必須。
*GCSE(General Certificate of Secondary Education)とはイギリスの義務教育(中等教育)修了時に受ける全国統一試験のこと。日本の成績だとここでの最低5とは、5段階評価で4以上、または10段階で7〜8以上が目安になる。

弊社がサポートした生徒様の中には、どの医学部ファウンデーションコースの入学要件も満たせない方がいらっしゃいました。カウンセリングの結果、Kings EducationのA-levelコース(2年間)を経由して医学部進学を目指すことにされました。英語力と学力が足りない生徒様には、しっかりと2年間かけて基礎から作っていくのがおすすめです。
また、オックスブリッジなどのファウンデーションコースからでは入学できない医学部を目指される方も、日本の高校卒業後にこのA-levelコースに入学されています。
ファウンデーションコース年間費用(2025-2026)
オックスフォード校の場合
授業料: £32,490
寮費: £13,250〜£22,000
【参考】イギリス大学医学部の年間授業料: 約£50,000
医学部ファウンデーションコース: 出願方法と合格までの流れ
① ファウンデーションコースのリサーチ どの大学の医学部に進みたいかによって、出願するファウンデーションコースを決める 。モアエデュケーションが学校選びのお手伝いをします。 |
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② 出願準備 ・英語力証明: IELTSなどが必要(多くはIELTS 6.0〜6.5以上) ・高校の成績(英文)を用意(特に理系科目の成績を考慮する場合が多い) ・パーソナルステートメント ポイント: 医師になりたい理由を具体的に – NHSの理念を理解していることインターンシップやボランティア活動などの経験などもアピール |
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③ 出願書類の提出 モアエデュケーションがご案内いたします。 |
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④ 合格通知の取得 Conditional offer(条件付き合格)の場合とUnconditional offer(無条件合格)の場合があります。 |
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⑤ 学費のお支払い、ビザ申請など モアエデュケーションがご案内いたします。 |
卒業後の進路と日本での医師資格取得について
イギリスの医学部を卒業すると、まずは現地でのFoundation Years(医師研修制度)に進むのが一般的です。この2年間の研修を通じて、臨床経験を積みながら正式な医師資格を取得します。その後はイギリスで専門医またはGP(診療医)に進むことができます。
一方、日本で医師として働くためには、卒業した大学が厚生労働省の認定校である必要があります。認定校であれば、日本の医師国家試験の受験資格を得ることができますが、多くの場合、帰国後には日本の医師国家試験の合格し医師免許を取得する必要があります。また、日本とイギリスの医療制度や医療文化の違いもあるため、両国での経験を生かすには慎重なキャリア設計が欠かせません。
イギリス医学部を目指す人へのアドバイス
イギリスの医学部は、世界トップレベルの学びと国際的に通用する資格が手に入る、まさに夢のような場所です。ただし入学のハードルは高く、学力・英語力・志望理由・インターン経験など、幅広い準備が求められます。
ファウンデーションコースは、その夢に近づくための心強いステップです。だからこそ、コース選びは慎重に、そして将来の働き方までイメージしながら、早めに準備を始めるのがおすすめです。
このページにはモアエデュケーションの生徒も実際に通う、信頼できるファウンデーションコースを掲載しています。高校の成績や英語力によって最適なコースが異なり、場合によってはここに記載のないコースをおすすめすることもございます。まずはイギリス大学医学部受験のプロである私たちにご相談ください!