【帰国生入試】帰国子女におすすめの高校&受験情報まとめ
帰国生に寛容な高校は、国際的な教育環境や英語教育に力を入れている学校が多く、海外での経験を活かしたい帰国子女の方にとって魅力的な進学先です。また、将来的に海外大学を目指す生徒にとっても最適な選択肢となります。
本記事では、そんな帰国生に人気の高校と入試の特徴、メリットや注意点について詳しく解説していきます。
国際基督教大学高等学校(ICU高校)
世界各国から生徒が集まる多様性豊かな学校です。自由な雰囲気の中で、自ら考え、対話しながら学ぶ姿勢が大切にされています。生徒同士の違いを尊重し合いながら、深く思考し、意見を交わす力を育てることが教育の中心にあります。
教育理念
- 多国籍・異文化交流を通じて「新しい価値観と文化」の発見
- 生徒各々の主体性と自発性を尊重
- 世界平和に貢献できる人材の育成
帰国生徒入試
☆ 4月の募集は、推薦入試・書類選考入試・学力試験入試の3種類があります。
推薦入試
選考方法:書類審査(中学校3年間の成績・外国語検定試験結果・校長推薦書・自己PRカード)+ 日本語面接
自己PRカード質問:
- あなたが国際基督教大学高等学校に入学したい理由を書いてください。
Please write down the reasons why you wish to study at ICU High School.
- あなたが海外生活を通して学んだことを具体例などを示して書いてください。
Please explain by giving specific examples what you learned or gained during your stay overseas.
- あなたが中学校3年間を通して、取り組んできた活動や取得した資格などについて具体的に書いてください。
Please explain the activity(ies) you engaged in during junior high school. Please state certificates, diplomas or awards you received.
書類選考入試
選考方法:書類審査(中学校3年間の成績)+ 日本語面接
学力試験入試
選考方法:英語・国語・数学の3教科の学力試験(各教科100点)+ 中学校3年生の調査書(9教科各10点)= 計390点
9月編入学試験(第1学年・第2学年)
選考方法:書類審査(中学校3年間の成績)+ 日本語面接

東京都立国際高等学校
都立高校で唯一の「国際学科」を持ち、国際バカロレア(IB)コースを設置するなど、国際的な教育に非常に力を入れている学校です。 制服の選択制や自由な校則からも、生徒の自主性に重きを置いていることがよくわかります。
教育理念
- 主体性と創造性に富んだ個性を伸ばす
- 日本の伝統文化を尊重しつつ、異文化に理解を示し共生する姿勢の育成
- 国際社会への参加に積極的な人材の育成
国際学科 海外帰国生徒対象入試
日本人学校卒業生対象
選考方法:国語(作文を含む)・数学・英語の3教科の学力試験(各教科100点)+ 面接(100点)
現地校卒業生対象
選考方法:作文 + 面接(日本語または英語を選択可)
面接内容: 自己PRカードに基づいた質疑応答
自己PRカード質問:
- 志望理由について
- 中学校生活の中で得たことについて
- 高校卒業後の進路について
国際バカロレア(IB)コース入試
☆ 一般生と帰国生の区別はなく、日本人生徒・外国人生徒で出願手続きが若干異なります。
選考方法:英語運用能力検査 + 数学活用能力検査 + 小論文(200点)+ 個人面接(200点)+ 調査書(30点)= 計430点
※ 小論文と面接は日本語または英語を選択可。
※ 英語運用能力検査・数学活用能力検査はIBの授業に必要な力の有無の判定にのみ使用し、得点は総合成績に含めません。
試験内容:データが複数与えられ、それをもとに小論文を書く
面接内容:批判的思考や知識の本質を探究するような質問が問われる
東京学芸大学附属国際中等教育学校
6年間の一貫教育を通じて、探究心と深い教養の習得を目指す学校ですが、高校3年生までの編入学を受け入れているという特徴があります。多言語にふれる機会も多く、世界とつながる力を養いながらも、教養ある日本人としての感性も育みます。落ち着いた雰囲気の中で、深い学びを追求したい人に合っています。
教育理念
- グローバル社会における学力と教養の獲得
- 多様な表現やコミュニケーション能力の向上
- 知・心・身体のバランスのある人材の育成
- 多様性の認識と寛容性と耐性の育成
編入学選抜(第4学年4・9月、第5学年4・9月、第6学年4月)
選考方法:書類審査(志願理由書・成績証明書・活動実績申告書)100点 + 外国語作文(85点)+ 基礎日本語作文(15点)+ 面接(50点)
※ 外国語作文は英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、韓国・朝鮮語の中から選択可。
試験内容:これまでの経験や知識に基づき、課題に対して自分の考えを論理的に表現する力が求められる
法政大学国際高等学校
グローバルな価値観を学びながらも、確かな進学実績につながる探究型の教育が特徴です。幅広い進路選択と自由な校風のバランスが魅力です。
教育理念
- 真に自由な思考と行動を貫き通す力を持った「地球市民」の育成
- 思考力・コミュニケーション能力・社会性・自己管理能力・情報判断能力を備えた学習者の育成
- 自ら考え、責任を持って行動する「自主規律の精神」の追求
帰国生・海外生入試
グローバル探究コース対象
選考方法:書類審査 + 日本語作文 + 英語作文 + 数処理能力基礎試験 + 日本語面接
自己PRカード質問:
- 法政大学国際高等学校に入学したい理由を書いて下さい。
- 海外生活を通して学んだことを、具体例などを示して書いて下さい。
- 中学3年間を通して、取り組んできた活動や取得した資格などについて具体的に書いて下さい。
IBコース対象
選考方法:書類審査 + 日本語小論文 + 数学能力適性検査
試験内容:2000字~4000字程度の日本語の資料文(評論・エッセイ・小説など)をもとに、読解・分析・自己の意見や批評を論述する
自己PRカード質問:
- Why did you choose to apply for the IB Course at Hosei Kokusai?
- Why do you think the IB Diploma will help you reach your future goals?
- What have been your main achievements in your life so far?
かえつ有明高等学校
かえつ有明は、現代的な教育スタイルで注目される学校のひとつです。ICTやグループワークを取り入れた授業が中心で、実社会につながる力を育てます。校則や雰囲気も自由度が高く、型にはまらない発想や挑戦を歓迎する文化があります。
教育理念
- ダイバーシティを尊重し、言語能力とコミュニケーション能力に長けた人材の育成
- 「教わる人ではなく自ら学ぶ人」能動的な学習者の育成
- 生徒それぞれが持つ個性と才能を生かして、より良い世界を創りだすために主体的に行動できる人間を育む
帰国生入試
帰国生Regular選考
選考方法:国語・英語・数学の3教科の学力試験
帰国生Honors選考
選考方法:英語作文 + 英語筆記 + 日本語作文 + 英語グループワーク
試験内容:短い引用文に基づき、「どの程度賛成するか」という質問に対して、自分の考えを軸に批判的思考を示しながら英語作文を書く。社会問題に関する2~3分程度の英語の動画を視聴後、提示された議題について集団討論する。

帰国生受験: 注意点と合格のカギ
帰国生として出願する際の注意点
“帰国生”と一概には言っても、学校ごとに「継続して〇年〇か月以上の海外滞在」「帰国後〇年以内」などの条件が異なります。詳細は各高校のホームページに掲載されているその年の募集要項をご確認ください。4月入学と9月編入学と、複数の入学時期を設けている場合もあるため、滞在年数のカウント方法には特に注意が必要です。
また、海外在留確認書や現地校の成績表・自己PRカードなど多くの提出書類が必要なため、早めの準備が鍵となります。
合格のために今からできること
① 英語力の証明(英検やTOEFLなど)を計画的に取っておく
多くの学校で、書類審査に語学スコアの提出が必須となっています。また、一定のスコアを満たすことで英語作文が免除される学校もあり、取得しておくと入試全体が有利になります。将来の大学受験や進学にも役立つため、英検(2級〜準1級が多くの学校で基準)・TOEFL iBT・IELTSなどの勉強を計画的に進めておきましょう。
② 日本語の面接や作文対策も大事
帰国生や外国籍生徒を対象とした入試であっても、日本語でのコミュニケーション能力が求められる学校は多くあります。「英語が得意だから大丈夫」と思っていても、日本語で自分の考えや経験を表現する練習は不可欠です。面接や作文でも自然で説得力のある日本語が使えるよう、日常的な練習や添削を受けることがおすすめです。
③ 自己PRカード・作文・面接に備えて「エピソードの引き出し」を準備しておく
多くの学校で、自分の経験や想いを具体的に伝える力が求められます。学校によっては、過去問や作文テーマの傾向から、ある程度の出題パターンを予測することも可能です。以下の視点でエピソードを整理しておくと、様々な設問に柔軟に対応できます。
【過去】海外経験や努力の過程(例:苦労したこと、成長できた瞬間、課外活動や語学習得の経験)
【将来】入学後の挑戦・進路への展望(例:学びたいこと、挑戦したい活動、将来の夢)
【現在】志望理由の明確化(例:なぜその学校か、他校との違い、教育方針やカリキュラムへの共感)
まとめ
帰国生入試は学校ごとに内容も形式も多様ですが、「自分の経験を言語化する力」と「準備・対策の積み重ね」が大きな差になります。語学能力の向上に加え、自己理解・志望理由の明確化、将来展望を整理し、スムーズに伝える準備が必要です。「どこの高校を受ければいいか分からない」「エピソードのまとめ方が不安」など、悩みがある方はぜひご相談ください。
この記事を執筆した講師:
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S.A.先生
IBで培ったエッセイの構成力や分析力を活かし、現在IBを受講されている方や海外大学を目指す方のお力になれればと思います。 また、自身の高校帰国生受験やイギリス・オーストラリアの大学出願を通じて得た知識をもとに、実践的なアドバイスやノウハウを共有していきたいです。