【前編】日本人留学生に聞く: イギリスのボーディングスクールと大学生活
Kentoです。イギリスのUniversity of Derby(ダービー大学)でスポーツマネジメントを専攻しています。
大学1年目が終わり、夏休みで日本に一時帰国中です。
Kentoくんはモアエデュケーションが始まったばかりの時にオンライン家庭教師を利用いただいた生徒さんです。Physics(物理)のA-level試験対策でサポートさせていただき、見事第一志望の大学に合格されました。
中学3年生から留学されているので、英国ボーディングスクールでの生活について、あと大学生活は高校とまた違うと思うので、その辺りのお話も色々聞いていきたいと思います!
この記事は【前編】です。記事の最後に後編のリンクを貼っているので是非一緒にご覧ください!
イギリス留学を決めた理由
留学に行ったきっかけは?
高校受験入る前にどうしようかなって悩んでいたタイミングで、父が留学というオプションもあるよと提案してくれました。僕はサッカーをずっとやっていたので、イギリスには英語も習得できてサッカーもできる環境があることを知って、行くことにしました。
元々は日本の高校も見ていたんですが、勉強があんまり好きじゃなかったので、受験勉強をあまりせずに進学できる方をを取りました。
留学の準備はいつから始めた?
父から提案されたのが中学1年生の冬くらいで、即答で行きたいと言って、そこからエージェント探しや学校探しを始めました。
それで渡英したのが中学3年生の夏でした。それより前は短期留学なども行ったことなくて、初めての留学でした。
向こうの新学期が始まる前に日本人留学生はよくサマースクールなどの準備コースに参加するのですが、僕は行かずに直接学校に入学しました。
英語も勉強しようと思っていたんですけど、なかなか力入らずって感じで…本当に留学行く人は多少は勉強するんでしょうけど、ほぼゼロの状態から行きましたね。
英国ボーディングスクールでの生活と授業
留学の流れ -英語初心者からのスタート-
英語をやらずに行ったということは、最初の1年は絶対大変でしたよね!
そうですね。本当はGCSE*が始まる年に行ったんですけど、英語ができなかったので最初の1年は学校側が設けてくれているESL*コースに入りました。
英語の専門コースで、毎日ずっと英語漬けでした。語学学校のような形をボーディングスクールで行うみたいな状況でしたね。
そして2年目にone-year IGCSE*コースを取って、そのまま同じ学校でA-levelに進みました。
*GCSE=イギリスの中等教育課程: Year10-11、日本の中学3年生-高校1年生にあたる
*ESL=English as a Second Language、英語を第2言語として学ぶ人のためのコース
*IGCSE=International GCSE。2年間の課程だが、留学生を受け入れるインターナショナルスクールなど1年コースが設けているところもある。
IGCSEとは?選んだ科目について
1年のIGCSEの場合、僕たちの学校では選べる教科がBusiness Studies(経営学)かGeography(地理)の
どっちかしかありませんでした。
3つの必須科目、Combined Sciences(理科)、Mathematics(数学)、English(英語)に加えて、僕はBusiness Studies(経営学)を取っていました。
A-level(Aレベル)とは?科目選びのコツ
A-levelに関しては大学で何をやりたいかを基準にというより、自分が好きな科目を選びました。
1年目はBusiness Studies(経営学)、Japanese(日本語)、Physics(物理)とEconomics(経済)の4教科、最終学年に上がる時にEconomics(経済)はやめました。
Economics(経済)をやめた理由は、Business Studies(経営学)と似ていて、大学受験の時はどちらか1つでよかったからです。それならより好きな方のBusiness Studies(経営学)にしようって決めました。
なるほど。
A-levelでは通常1年目に4科目取り、2年目に1科目を落として3科目にします。学部によっては4科目取り続けた方がいいところもありますが、私も2年目は3科目にしていました。
私は完全に理系で、Sciences(理科)とMaths(数学)しか取っていなかったので詳しくないのですが、Business Studies(経営学)とEconomics(経済)はどう違うんですか?
Business Studies(経営学)はどっちかっていうとマネジメント部門であったりファイナンシャル(財務)だったり、そういうのをより細かくやっていくんですけど、Economics(経済)は経済なので、どうこの世界が回っているかを勉強します。
1年目はミクロとマクロで大雑把に習う感じでした。
高校の授業はどんな感じ?
ボーディングスクールは、イギリス人だけじゃなくていろんな国から来ている生徒も多かったので、そういう中で授業するっていうのは面白かったです。
色んな文化をバックグラウンドに持って来てる人が多いから、例えば授業態度というか、ノート書く人もいれば書かない人いる。もしくはずっとパソコンをいじってる人とか笑 そういう違いがありました。あとは日本と違って、授業中に発言をどんどんしていく生徒も多かったです。
1クラスあたりの人数も少なくて、だいたい10人以下でした。担任制ではなく、自分がやりたい教科選んで、教科によってクラスメイトが変わっていくっていう感じでした。
僕の学校ではコロナ前はA-levelの生徒たちはパソコンを使っていて、GCSEでは使っていませんでした。コロナの後に学校全体で使うようになりました。
学校でのスポーツやアクティビティ
ボーディングスクールの魅力の1つとして、やっぱり敷地が大きくて色んな施設があるのでアクティビティの種類が豊富ですよね。
私はスポーツも音楽も好きだったので、ピアノ、サイクリング、クロスカントリー、スキューバダイビング、シューティング(ライフル射撃)、その他も色々やっていました!
Kentoくんは何のアクティビティをやっていましたか?
主にフットボール(イギリスでサッカーを指す)ばかりでしたね。
アクティビティの時間は毎週土曜日だったので、土曜日はサッカーが終わってから友達とサイクリングに行っていました。学校が自転車を貸し出して沿岸沿いをみんなで走ったり、山みたいなところに行ってマウンテンバイクにみんなで乗ったり。その週によって毎回アクティビティが違うので、学校側が催してくれたものに参加するみたいな感じでした。
他にも大きなスポーツでいうとラグビーやテニスをみんなやっていました。
イギリスはやっぱりサッカーが盛んで、学校選びの時もサッカーに力を入れているボーディングスクールの中でも自分がいいなと思うところを選びました。
イギリス大学受験の流れ – 海外大学進学に必要なもの
大学の選び方 – スポーツマネジメントの魅力
まず自分がどういうコースに行きたいのかっていうのを決めることから始まって、最終的に自分がたどり着いたのがスポーツマネジメントでした。大学によってはSport Management and Sciencesという、サイエンスが混ざっているコースもあるんですけど、とりあえずスポーツマネジメントで絞りました。
UCAS*を使って検索をかけて、引っかかった大学はとりあえず全部概要を見て、それで結局どこが自分に一番合う
かなっていうのを判断しました。
*UCAS=イギリスの大学出願ポータル
ダービー大学を選んだ理由は?
1番大きかったのは、地元のサッカークラブと繋がっていて、そこで1年目からプレースメント(インターンシップ)があるところです。自分は勉強よりかは実践してみたい気持ちが強かったので、そっちを重視して見ていました。
他にもラグビークラブとパートナーシップを組んでいる大学など中にはあるんですけど、やっぱりダービー大学が1番自分に合ってるかなというので選びました。
正式なオープンデイ(オープンキャンパス)は行ってないんですけど、同じ学校の友達がダービー大学にいたので、大学の中を案内してもらって雰囲気を確かめました。
UCAS(出願)の準備はいつ始めた?
Year12(高校2年生)の最後の方に学校から登録するように言われて、そこから探し始めました。だから入学の1年ちょっと前からですね。
やっぱり僕はやりたいことじゃないと続かないとわかっていたので、とにかく自分が好きなコースを見つけることから始めました。
日本やアメリカだと一般教養課程が1年目にあるのに対して、イギリスの大学は1年目からそのコースのことだけを勉強します。なので、好きなことが分かっている人にとっては最適な国だと思います。
私の場合もやりたいことが決まっていたので、3年でぎゅっと専攻だけを勉強するイギリスが合っていたのかなと思います。
UCASですごい大事なのがPersonal Statement*(パーソナルステイトメント)を書くことですよね。その準備はどんなことしましたか?
今まで自分がスポーツをやってきて、大学のコースもスポーツに関連してるから、何か特にやったことはなかったです。スポーツを通じて経験してきたこと、例えばチームのキャプテンやリーダーとして引っ張ってきたならそういうことも書くといいと思います。個人的にはスポーツを通じて何を学んだかというのを多く書きました。
そして、10月くらいにUCASを提出しました。
*Personal Statement=志望動機書。課外活動や職業体験などを書く。
A-level試験対策 -家庭教師を活用して成功する-
12月か1月くらいにオファー*をもらって、A-levelの試験は5、6月に行われます。
僕たちの学校は1月に模擬試験があって、そこでPhysics(物理)の点数が悪かったので、2月から家庭教師をつけようと決めました。
指導依頼をいただいたのがA-level試験の2、3ヶ月前ぐらいでした。大幅にグレードを上げないといけない状況だったので、早急に担当の先生つけて指導を開始しました。
合格後にガーディアン*やお母様からとはお話ししたのですが、まだKentoくんから直接感想を聞けていませんでした。家庭教師をつけてみてどうでしたか?
やっぱり英語だとどうしても、日本人はあるあるだと思うんですけど、細部の日本語と英語の食い違いみたいのがあって、理解を完全にはしきれてない部分がどの教科でも出てくると思います。そこを日本語で聞くと理解しやすかったので、もう少し早くから家庭教師をつけてたら理解度も深まってたんじゃないかと思います。
今まではずっと自分で勉強していて大丈夫かなと思っていたんですけど、模擬試験でやばいなってなって、そこで焦って家庭教師つけました。
先生との授業は基本的に全部英語で、自分が分からないところは質問をしてそこを日本語で教えてもらうようにしていました。自分が言わなきゃ先生も分からないから、自分がここ分からないですというのを素直に伝えて、日本語で教えてもらって理解するという形でした。
私たちの講師はほとんど海外大学に通う日本人留学生なので、英語と日本語どちらでも指導可能です。
日本人の生徒さんには海外歴が長くても、日本人の先生の方が安心する、説明のところだけ日本語の方が助かるという方は多いです。
その中でもKeitoくんみたいに、ちゃんと自分が分からないところを「ここが分からないです、説明してください」と伝えてもらえると授業も効率よく進みます。
そういったコミュニケーションをしっかり取ってもらっていたおかげで、短期間でもグレードを上げることができて、見事第一志望の大学に入れたのだと思います。
改めておめでとうございます!
*オファー=条件付き合格。A-levelやIBのどの科目で〇〇グレード以上取らないといけないなど。
*ガーディアン=留学中のお世話をする後見人
後編はこちらから – 「大学生活」と「留学のメリット」について話しています!
この記事のもとになっている対談はこちらからご覧いただけます!
イギリスの大学出願について解説している動画:
University of Derby 公式サイト:
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