【UCL現役大学生に聞く】イギリスのリベラルアーツ専攻Arts & Sciencesとは

Haruhiです。
UCL(ユニバーシティカレッジロンドン)でArts and Sciencesというリベラルアーツのような専攻を学んでいます。

Haruhiさんはモアエデュケーションの家庭教師で講師としても活躍されています。GCSEレベルやKey stage threeあたりの生徒さんを指導いただいています!
イギリスの名門ボーディングスクールであり進学校で有名なBrighton Collegeでの経験から、現在のイギリスでの大学生活、講師ならではの勉強のことについても聞いていきたいと思います。
この記事は【後編】です。記事の最後に前編のリンクを貼っているので是非一緒にご覧ください!
UCLでの大学生活
大学での1週間のスケジュール
同じ学部内でも、すごく理系寄りで理系選択の人もいれば文系の人もいます。私は理系のほうのHealth and Environment(健康と環境)なので、Biology(生物)、Chemistry(化学)、Psychology(心理学)をMajor(専攻)にしています。ガッツリ理系でもないので、コンタクトアワーは短くて週10時間ぐらいですが、代わりにReading*をいっぱい出されます。それを自分の時間でちゃんと読んでいないとレクチャー(講義)を理解しきれないとか、試験のためにはReadingをやっておいた方が良いと言われています。
経済をMinor(副専攻)で取っていたんですけど、経済の場合はレクチャー以外にもチュートリアル*があります。宿題が出されるので、宿題の答え合わせをしたり、前のレクチャーについて話したりする時間になります。他にもチュートリアルと似ているセミナーがあって、全部含めて週10時間ぐらいです。チュートリアルやセミナーがないモジュール(分野)もあるので、セミナーはあっても週1時間、モジュールごとには週1時間とか2時間でした。
レクチャーは1日4時間の日があったり何もない日があったりで、自習をたくさんしないといけないです。水曜日がロンドン内だとSociety(サークル)とかスポーツ系のイベント、試合がある日なので、水曜日がフリーなことが多いです。どの学部の人も水曜日は空いてる人が多いです。

Arts & Sciencesでの学び
MajorとMinorがPathway(プログラム)としてあって、その中にいろんな取れるモジュールがいっぱいあります。1年目の時は選択科目がMajorから3つ、Minorから1つ選ぶ形だったので、私はMajorを心理学系2つと地理1つ、Minorをミクロ経済のモジュール1つにしました。
あと、様々な分野で得た知識をまとめられるようなスキルを学べる必修がまた4つありました。例えばデータ分析、プログラミング、経営、Research method、幅広い学びのコンセプトについて考えるというようなモジュール、あとは言語も1つやらないといけないので、私は中国語を選択してました。
コース自体は3年なんですが、3年目にYear abroad*も入れられます。取っている言語の国、例えば私だったら中国とか中国語を話す台湾に行けるプログラムがあるので、Year abroadに行くと4年になります。
Arts and Sciencesの ‘Sciences’の部分は、私はHealth and EnvironmentというPathwayなんですけど、もう1つがSciences and Engineering(理工学)というPathwayもあります。後者のほうは数学、物理、エンジニア系とかプログラミング系の理系です。Arts and Sciencesの’Arts’はHumanities(文系科目)という意味なので文理融合型で、理系としてはそのようなモジュールがあります。
Health and EnvironmentはBiology(生物学)、Biochemistry(生化学)とかChemistry(化学)系、Genetics(遺伝学)で、Psychology(心理学)とGeography(地理学)はHumanities(文系)の方に入ってきたりSciences(理系)やHealth and Environmentにも入ってきたりします。同じ1個のコースといっても大分幅があるので、本当に被らない人とは全然被らないので、大学で全く会わないこともあります。

例えばEngineering(工学)系を選んだ人は、EngineeringのDepartment(学部)の人たちと一緒の講義を取るんですか?
別のDepartmentの講義を取ることもあって、例えばEconomics(経済学)のモジュールを取った人は経済を専攻している生徒と一緒のレクチャーに行くこともあります。私の学部はBASc*というコードなんですが、BAScの人に向けてのもう少し簡単なバージョンのモジュールもあって、そっちに行くこともあります。
例えば私が取ったMicroeconomics(ミクロ経済学)のは、Economics専攻の生徒はいないんですけど、「Economics and XX」といったビジネス系の生徒が取っているタイプのモジュールです。そういうレクチャーに行けるので、違う学部の人との交流もあります。でも、大きいレクチャーとか人数が多いところだと、全然自分の学部の人を探せないみたいなのはありますね。
*Reading=本・文献・論文などを読むこと
*チュートリアル=少人数のクラス
*Year abroad=1年間の留学や海外研修
*BASc=Bachelor of Arts and Scienceの学位
UCLでのサークル活動
参加しているクラブは?
大学に入るまであまりやったことがなかったんですけど、剣道とダンスのクラブに入っています。スポーツ系もアート系もいっぱいあって、初心者に優しいものも多いので、それでちょっと興味あったので友達と一緒に行きました。剣道は基本先輩が教えてくれて、たまにプロの先生も来ます。クラスも初心者と上級者で分かれています。
Japan Society
Japan Societyにも参加していて、Japan Societyって言うんですけど、そこまで日本人は多くないです。UCLがイギリスの大学の中では日本人が一番多いと思うんですけど、Japan Societyの3割ぐらいが日本人で、他は外国の方です。そこでは日本語を教えるボランティアをやっていたり、Sub committee(委員会)メンバーもやっていたので、イベントの手伝いとかもやっていました。

毎週、日本語とか日本文化に関わるイベントを企画しているので、それの手伝いや、ソーシャルイベントとしてPub会(パブでの飲み会)やボートパーティーがありました。Pub会は日本人の方が多く来ますね。外国人の方が全体では多いんですけど、日本語レッスンだけ受けて帰る人もいるので。ボートパーティーの方が外国の人も来ます。

私がいたインペリアルカレッジロンドンもJapanese Societyでは日本語クラスをやっていましたね。イベントはなどの集まりはほとんど日本人だった記憶があります。
日本人は、日本文化系のイベントはそんなに来ないので、イベントによっては外国の人ばかりだったり。Pub会でも日本人は日本人と喋っていたりすることが多いので、そこまでミックスはされてない感じではありますね。
ロンドンでの住まい事情と今後の進路
ロンドンの大学生の住まい
1年目は寮で、2年目から友達とフラットフェア(ルームシェア)をします。UCLの寮に申し込む時はフォームを記入するんですけど、その時に予算だったり、寮のどういう面を重視したいか、ソーシャルな感じがいいとか大学に近いのがいいのかとか、En suite(バスルーム付きの部屋)が絶対いいのかを入れます。その優先順位を付けるところもあったので、私は大学に近いという面を重視しました。
実際に大学の目の前の寮にはなったんですけど、結構古い感じのところで。部屋は大きいんですけど、キッチン・シャワーはシェアで、キッチンが古くて、イギリスの古くからある大きいお家を寮用に改造したみたいなところでした。
2年生が始まったら友達4人でフラットシェアをします。比較的大学近くのEustonの辺りで4人のフラットを探して見つけました。

卒業後のプラン
まだそんなに専門性がない学部なので、色んなオプションがあります。来年からは心理と経済に専攻を絞って、3年目に行動経済系も興味があるのでやりたいと思っていて、それ関連の大学院に行くのも少し考えています。大学院もイギリスだと1年で済みますし、ロンドンにもいたのでロンドンの周りの大学に行ってみたいかなと思っています。仕事もまだそこまでしっかり決まったっていうわけではないんですけど、マーケティングに興味あるかなって今のところ思っています。

今年の夏(1年目の夏)はインターンなどをやる予定はありますか?
インターンをやる予定はないんですけど、2年の夏のインターンのApplicationが9月〜10月から始まるので、それの選考のために用意できることやったり、自分の興味を絞っていきたいと思っています。マーケティングって言ったんですけど、本当にそれがやりたいのかとか、それ以外に興味があるところをExplore(探求)してみる期間にしたいです。
前編はこちらから – 「今までの海外経験」「GCSEとA-level」「Brighton Collegeでの高校生活」「大学出願プロセス(UCAS)とEPQ」「GCSEとA-levelの試験対策」について話しています!
この記事のもとになっている対談はこちらからご覧いただけます!
イギリスの大学出願について解説している動画:
UCL 公式サイト:
