【インペリアルカレッジロンドン生に聞く】海外大学での勉強とサークル活動
Rinkaです。
Imperial College London(インペリアルカレッジロンドン)に通っていて、Biochemistry(生化学)専攻です。今2年生が終わって、秋から3年生に上がります。
Rinkaさんはモアエデュケーションの家庭教師で1番長く講師を務めていただいています。GCSEやA-level(Aレベル)の生徒さんを見ていただいていて、1番信頼を置いている先生のひとりです!
海外のバックグラウンドもたくさんお持ちなので、今までの経歴から現在のイギリスでの大学生活、講師ならではの勉強のことについても聞いていきたいと思います。
この記事は【後編】です。記事の最後に前編のリンクを貼っているので是非一緒にご覧ください!
インペリアルカレッジロンドンでの大学生活
大学での1週間のスケジュール
1年生は朝に、2年生は午後レクチャー(講義)がありました。1日2コマ、2時間ありました。レクチャーがない時間はラボ(実験)やワークショップが入ったり入らなかったりという感じです。なので、週によってレクチャーだけしかなかったり、その次はいっぱいラボあったりという風に、割と変わりますね。
日本みたいに履修登録がなくて、渡されたタイムテーブルのまま動くので休みはあまり作れないです。でもレクチャーしかない週は午前か午後は空いているので、そこは割と時間があります。
Biochemistryはどんな課題が出る?
1ターム(学期)につき2モジュール*勉強するんですが、各モジュールで3つラボレポート(実験レポート)があるので、1タームにつき6つレポートを出します。ラボの後にレポートの課題が出て、1週間後ぐらいに提出します。これは少ない方で、Engineering(工学)とかPhysics(物理)はもっと多いです。
Computer sciences(コンピューターサイエンス)もテストが毎週のようにあって、課題もすごく多いです。同じ大学でも課題の量だったり授業スタイルが全然違います。
ちなみに私はインペリアルのBiomedical Sciences専攻でしたが、課題は1タームごとに2つラボレポート、1つエッセイという感じでした。
エッセイはテーマが与えられて、それについて自分でリサーチをします。私は紙の本は使わずにオンラインブックスやジャーナルを見て情報を集めて書いていました。
Biochemistryもエッセイは出ます。2年生になってから論文スタイルのエッセイが増えて、字数も毎回違って2500字から3000、4000字ぐらいです。あとは、2年生と3年生に1個ずつ卒論書きます。ちょうど終わったんですけど、4000字ぐらいのミニ論文みたいなのを書きました。
その卒論のタイトルは、80個くらいあるリストの中から選んで、第1から10希望を出します。Dissertation(卒論)はチューターがつくんですが、トピックごとに人数が限られているので、最終的には第5希望になることもあります。
私も最後の卒論は同じような感じでした。卒論じゃない2年生までのエッセイはみんな共通のタイトルが与えられて、それについて書いていました。
*モジュール=勉強する分野の単位
3年生までの流れと卒論について
Biomedだと1、2年は学部みんなが同じ内容を学びます。全部のモジュールを一通りやって、3年目からは専門分野に別れてMedicine(医学科)の4年生と一緒に授業を受けます。
選択モジュールは今までやったモジュールの中から選びます。例えばPharmacology(薬学)、Public health(公衆衛生)など色々ありますが、私はGastroenterologyとHepatology(消化器と肝臓)を選びました。
3年生の授業には、キングスカレッジロンドンといった、近隣のロンドンの大学の4年生も混ざります。選んだモジュールによっては、今までのコースメイトとは全然違う人たちと1年間勉強することになります。
Biochemistryもそんな感じですが、2年生の3学期目に選択モジュールが1個ありました。そこから始まって、3年生からは完全に分れます。
Biochemistryは元々Biotechnology(バイオテクノロジー)と2年間一緒に授業を受けています。さらに選択モジュールはBiology(生物学)とマイクロバイオロジー(微生物学)が一緒になって、同じモジュールのリストから選ぶようになっています。
3月から6月ぐらいにサマープロジェクトが行われて、それが卒論になります。
Biomedも同じで、最後は研究室に入って実験などをして、それをまとめあげて卒論にあたるエッセイを書いて、プレゼンもしました。
そこでも研究テーマの希望を出して、受け入れてくれたところに入るという形です。
インペリアルカレッジでの勉強法とキャンパス
インペリアルカレッジのキャンパス
インペリアルのメインキャンパスはSouth Kensington(サウスケンジントン)にあって、レクチャーはそこでやっています。春休みくらいにWhite City Campusが完成して、Chemistry(化学)など一部の学部がそこに移りました。
Biomedは1年目South Kensington、2年目はWhite cityが一番多かったです。当時White cityはまだ建設中で、School of Medicine(医学部)の人が主に通っていました。
South Kensigntonでは毎週火曜日にファーマーズマーケットが開催されて、パスタやケーキをいつも買っていました。
3年目はPaddington(パディントン)にあるSt. Mary’s Hospitalに行くことが多かったです。私が入った研究室がそこにあったので、最後はずっとそこでした。
もう1つ、Hammersmith(ハマスミス)にあるCharing Cross Hospitalでレクチャーをすることもあって、2年目以降ほとんどSouth Kensingtonは行っていなかったです。
大学での効率的な勉強方法
私はレクチャーほとんど行かなくて、基本はワークショップかラボの時にしか大学に行かないんです。レクチャーはレコーディングされてるんですけど、あまり見ないんですよね。レクチャーのパワーポイントがあるので、それでトピックはこれなんだなって把握して、そこから論文を読む勉強法にしています。
結局テストで点数を取るためにはOutside reading(自主研究)をしないといけないので、だったらレクチャーも見て論文も読んでってするより、先に論文を読んじゃえばいいんじゃないかってなりました。本当にわからない時はレクチャーも見ますが、ほとんど見てないですね。多分2年間で3本ぐらいしか見てないです笑
私の場合はレクチャーのレコーディングを1.5倍速か1.75倍速くらいで見て、言っていることを全部書き出していました。
インペリアルは私の時からレコーディングがされていましたが、オックスフォード大学などレコーディングがないところもあります。
コロナが終わってから変わった気がします。インペリアルもBiology系はコロナ前からレコーディングあったと思うんですけど、なかったところもできたというところはあります。
インペリアルカレッジでのサークル活動
Japanese Societyの活動
勉強以外のところでは、Japanese Society(日本人会)に1年目から入って、今年はComittee(委員)をやっていました。Secretoryといって事務的なことをやっていたんですけど、大変でしたね笑。イベントは月に2回を目標にして頑張りました。1回は飲み会に使って、もう1回はアイススケート行ったりボーリングしたり、ボートパーティーもやりました。
ボートパーティーはロンドンの他の大学 – UCL、King’s College London(キングスカレッジロンドン)、Queen Mary(クイーンメアリー)とLSEとの合同開催です。今年はUCLが事情があってプルアウトしてしまいましたが、その代わりにSouthhampton(サウスハンプトン大学)とSussex(サセックス大学)が来てくれました。全員で350人ぐらいで、大きなボートを借りてもぎゅうぎゅうでした。
5大学のジャパソで一緒に運動会もやりました。それも100人ぐらい来て、結構大規模でした。今は日本人の数が増えて、インペリアルだけで150人ぐらいメンバーがいて、そのうち日本人が100人、あと50人が日本に興味のある外国人です。
外国人向けにはジャパニーズレッスンを週に3回、6時から7時まで1時間やっています。Beginner、Intermediate、Advancedで分かれていて、メンバーシップを買ったら無料で受けられます。
私の時は1学年に日本人は10人以下だったので、こんなに増えていてびっくりです。
最近は柳井正財団や笹川平和財団といった大学の正規留学が対象の給付型奨学金ができたので、その影響もあると思います。
当時はジャパソのトラディションとして、毎年ドラマ(演劇)をやっていました。私が1年生の時に千と千尋の神隠しをやった記憶があります。でもそこからイベントが減っていたので、復活してきていて嬉しいです!
演劇もうちの代以上に次の代のComitteeが張り切っていて、大きい講堂を貸し切ってタレントショーをやるって言っています笑
大学院進学とキャリアプラン
大学院への進学
インペリアルはそのまま進めるので、大学院でもBiochemistryに関連したことを学ぶ予定です。一応日本の大学も受けようかなと思っています。
その理由が、インペリアルだとMaster’s(修士)は1年なんですけど、1年で研究できるのかなと思っていて。生命科学の研究って遺伝子とか繊細なものが多いので、失敗ばかりなんですよ。日本は2年ですし、研究機関としてはそんなに劣らないので、東京大学などの国立の大学を受けようと思っています。
研究テーマは具体的にはまだ決めてないんですけど、免疫学も好きなのでそれに関連することを考えています。本当は皮膚の勉強を考えていて、キングスカレッジにDermatology(皮膚科学)の大きいラボがあるんですが、それはPhD(博士)しか受け付けていないみたいなんです。Master’sは皮膚か免疫学のことに関して研究しようかなと思っています。
卒業後のキャリアプラン
大学院卒業後のキャリアプランはまだ悩み中です。Doctor(博士)は長いのでやらずに、大学院に入ったら就活は1回しておこうと思っています。製薬会社や化粧品会社の研究職になるかなと思います。
メッセージ: 留学を成功に導くには
イギリスは日本の大学に行くより勉強大変だと思うんですけど、1年目は色んな人と出会って、遊んでいいと思います。1年目は勉強も頑張りつつ思いきり楽しんで、そこから勉強に少しずつシフトしていって頑張っていけばいいと思います。
イギリスの大学の多くは1年目の成績が最終成績に対する割合が少ないです。Biomedは1年目5%、2年目20%、3年目75%という感じで、学年ごとにカウントが違います。
Biochemは1年目5%、2年目35%、3年目60%くらいだったと思います。Engineering(工学)のコースは1年目の成績がカウントされなかったり、オックスフォード大学だと3年生の最終試験しかカウントされなかったりします。
なので、1年目は大学生活楽しんでください!
前編はこちらから – 「今までの海外経験」「GCSEとA-level」「BSTでの高校生活」「大学の選び方と出願プロセス(UCAS)」「A-levelの試験対策」について話しています!
この記事のもとになっている対談はこちらからご覧いただけます!
イギリスの大学出願について解説している動画:
Imperial College London 公式サイト:
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