【英国大学合格のカギ】インペリアルカレッジロンドン現役生インタビュー

Shunichiroです。
Imperial College London(インペリアルカレッジロンドン)のMechanical Engineering(機械工学科)に入っています。MEng(工学修士)というMaster(修士)まで取れる4年のコースです。

この記事は【前編】です。記事の最後に後編のリンクを貼っているので是非一緒にご覧ください!
インターでのGCSEとA-level課程
今までの海外経験
10歳の時に初めて海外に行ったんですけど、親の仕事の都合でまず最初にドバイに行って、そこでは4年半ぐらいいました。また親の仕事の都合で今度はロシアのモスクワに5年ぐらいいて、大学からイギリスっていう感じですね。
ドバイでは最初に1年だけ日本人学校に行って、そのあとはずっとインターナショナルスクールでした。ブリティッシュスクールもアメリカンスクールも系列校の中で両方あったんですけど、僕が行ったのはブリティッシュスクールでした。
インターに入った時点では英語を全く喋れない状態でしたが、入った時が小学5年生だったので、まだ内容的にはそこまでハイレベルではなかったっていうのは救いですね。あと、同じクラスにたまたまもう一人日本人がいて、その子が結構喋れたので、いろいろ助けてもらいながらっていうのはありましたね。

GCSEで取った科目は?
English(英語)、Maths(数学)、Sciences(理科)系: Biology(生物), Chemistry(化学), Physics(物理)が必須で、そこプラス3つ取らなきゃいけなくて、僕はSociology(社会学)とGeoglyphy(地理)、Spanish(スペイン語)を取っていました。

それぐらい科目を取る学校も多いけど、モアエデュケーションの生徒さんの中では合計5、6科目ぐらいしか取っていない方もいます。Sciences(理科)が必須じゃなかったり、Combined Sciences*だったりします。
よくいただくご相談で、Combined SciencesとSeparate Sciences*どちらが良いかというのがあります。学校でCombinedを推奨していても、A-levelでサイエンスの科目を取りたい場合はCombinedではなくSeparateの方が良いです。学校によってデフォルトが違うので、そこは計画性を持って選ばないといけないです。
うちの学校の場合はEnglish(英語)、Maths(数学)、Sciences(理科)は全部レベル別に分かれていました。Top set(一番上のクラス)から下まで3つぐらいに分かれてたんですけど、それはA-levelで何を取りたいかっていうよりも、成績別に分かれていた感じでした。
*Combined Sciences=理科3科目を勉強するが2科目分のGCSE資格となる
*Separate Sciences=理科を別々の科目として取るので3科目分の資格が取れる
A-levelで取った科目は?
A-levelは得意な科目で選択をして、Maths(数学)、Further Maths(応用数学)、Physics(物理)、Chemistry(化学)の4つでした。
A-levelの勉強をしてる時は、数学と物理はすごい得意だったので理系の方には行きたいなと思ってたんですけど、まだ理論系か工学系かどっちかっていうところまでは決めてなくて。大学の数学科がものすごい難しいっていう印象があって、あまり数字とか出てこないのは知ってたので悩んで、でも個人的には工学系の実際に自転車を作ってみましたみたいなそこまでの経験もなかったので悩みました。でもどちらかというと手を動かして実際に勉強して計算した結果が物として反映されて、実際に見てわかるみたいな方が面白いかなと思ったので、最終的には機械工学にしました。
高校での部活とピアノ
モスクワの高校では、アフタースクールアクティビティが放課後に1時間だけ、週2ぐらいであったんですけど、全然日本の部活とは違ってお遊びみたいな感じでした。僕はバトミントンとか卓球とかをやっていましたね。半年間はサインアップした同じアクティビティを続ける感じだった気がします。でもサインアップしても枠があって、受からない時もあります。

私はスポーツもミュージックも好きだったので、ミュージックはピアノを自分で練習する感じだったんですけど、スポーツはスカッシュとか、あと水泳はチームに入ってて週3回ぐらい朝7時から朝練をしたり、クロスカントリーとか色々やったりしていましたね。
音楽で言えば、ピアノをずっとやっていました。年1で修学旅行みたいなのがあって、行った先でコンペティションがあって、やりたい人はそういうのを参加させてくれました。何か興味があってやりたいことがあったら色々用意してくれていましたね。
ピアノは学校に先生がいたので、週1で30分だけ昼休みの間に習っていました。その中から参加したい人は、年1最後の5月ぐらいにモスクワの市内で学校の発表会があったり、もう一個6月にあったりもしました。1回しか行ったことないんですけど、スペインのマドリードで系列校がみんな集まって、歌の部門、ピアノの部門、ギター、バイオリンとか色々あると思うんですけど、発表会をやって順位決めていました。あとはバンドみたいな、アンサンブルみたいな、その時だけ集まって練習して発表してみたいなのもありましたね。

大学出願とPersonal statement
イギリスと日本の大学併願
大学は日本とイギリスとどっちも考えてたんですけど、親とか周りの人が、普通の日本人はやっぱり正規留学でイギリスって行けないので、せっかくだったらイギリスの方がいいんじゃないと言ってくれて。研究とかリサーチのレベルも高いっていうのは聞いていたので、一応日本も受けたは受けたんですけどそんなに考えてなくて、UCAS*で受ける5大学をメインに考えていましたね。
日本で受けたのは上智のエンジニア系の学部で、英語のコースでした。早稲田にも同じようなのがあって多分受けるべきだったんですけど、受けなかったです。
学校ではYear12が始まった時に、どうやって大学の出願をするかなど準備の段階から色々説明してくれて、みんなが遅れて出願しちゃったみたいなことがないようにサポートしていましたね。
*UCAS=イギリスの大学出願ポータル
UCASの出願準備

UCASのポータルがオープンするのがYear13の9月くらいですが、実際にPersonal statement*など出願書類を準備し始めたのはいつぐらいですか?
僕の場合はケンブリッジ大学に出したので、普通だとUCASの提出期限は1月末ですが、Oxbridge*を受ける人は10月中旬に出さないといけないです。それに向けて、Year12が終わって夏休みの間に、Personal statementを見てもらうチューターに付いてもらって完成させました。夏休み終わってYear13始まるぐらいには大体終わっていたと思いますね。
*Personal statement=志望動機書
*Oxbridge=オックスフォード大学とケンブリッジ大学
ケンブリッジ大学工学部の入試
ケンブリッジ大学は、12月ぐらいにエンジニア(工学)系はENGAA*っていう数学と物理の試験があって、それは無事通りました。その後にインタビュー(面接)をやりましたが、それがたしか1月末か2月ぐらいだった気がします。

私の周りでもすごく成績良くて、普通に全部Straight A*(オールA*)みたいな人で大体インタビューまで行くんですけど、最終的にインタビューで落とされる人は多いですよね。どうしようもないというか、狭き門ですよね。
合否の理由は、最初のペーパーテストだけたしか来たのですが、面接に関しては僕はもらってないです。なので何で落とされたのか分からないところはありますね。
ペーパー(筆記)のテストは過去問が3つぐらいあったので、それで勉強しました。A-levelとはベースが同じで、プラスちょこちょこケンブリッジ用にはみ出た部分の対策をして、カバーしてみたいな感じでした。
オックスフォード大学かケンブリッジ大学を比べた時に、ケンブリッジ大学の方がエンジニア系では強いっていう風に聞いてたんですけど、そこまで具体的な根拠があったかは分からないです。

なんとなくオックスフォード大学は文系、ケンブリッジ大学は理系というイメージがありますよね。Cambridge Maths(ケンブリッジ大学数学科)と言ったらもう本当に理系のトップみたいなイメージはあります。
クラスメイトで1人、オックスフォード大学の数学か工学に行った人はいましたね。その人は最初、Conditional offer*をもらってたんですけど、その後でメールを送ってUnconditional offerもらえませんか?って聞いたらもらっていました(笑) めちゃめちゃ優秀ではあったので。
*ENGAA=Engineering Admissions Assessment(2024で終了)
*Conditional offer=条件付き合格
*Unconditional offer=無条件合格
インペリアルカレッジロンドン工学部の入試
ケンブリッジ大学の次に行きたかったのがインペリアルカレッジロンドンでした。インペリアルはまずオンラインでテストがあって、それもペーパーテストのオンライン版みたいな感じだったんですけど、その後3月ぐらいにインタビューがありました。結果が実際に来たのが5月ぐらいでした。

私が入ったBiomedical Sciencesは、同じインペリアルでもインタビューなかったので、1月にはConditional offerが出ていました。なので、A-levelで何のグレード取ればいいのかも早めに分かるので、それに合わせて勉強のプランもできました。
インペリアルのテストが大学特有のものでしたか?
オンラインのテストはインペリアルが作ったものだったんですけど、4択の問題が15問ありました。正直めちゃめちゃ簡単でしたね(笑) A-levelの物理とかをちゃんとやっていれば絶対に答えられるようなテストでした。過去問はなくて、でもちょうどケンブリッジのENGAAの方を先にやっていたので、そのレベルを想定して対策はしていましたね。

Personal statementの書き方
機械工学科に出願するにあたって、自分としての強みがそこそこ明確でした。勉強の方面では数学と物理が好きで、数学は高校でいろんなコンペティションがあって、UKMT(Maths Challenge)という数学のテストで良い成績を取ってたので、そういうことを言いました。
あと、趣味のピアノの話もしました。ピアノで鍵盤を叩くと中の機械が動いて音が出る、弦がハンマーで叩かれて音が出る仕組みがあるんですけど、その仕組みを見て機械ってこういうふうに動くんだな、作るの面白そうだなっていうことを言いましたね。直接勉強からの興味じゃないけど、趣味の方からも繋がってますよみたいなことは言いました。

Work experience(職業体験)はやりましたか?
Work experienceはGCSEのYear10の時にやりました。学校でYear10の時とYear12の時に1週間期間を設けてくれて、その期間を使って行きたい所を事前に探して行ってねみたいなのがあって、Year12の時はコロナ真っ只中だったのでなくなっちゃったんですけど。TBSのロシアの支局で撮影とかそういうことをやって、あまりにも違いすぎたので、書いちゃってもブレるなっていうことでパーソナルステートメントには書かなかったですね。
書いたのは、物理の本を読んでどう思ったとか何かのきっかけになったみたいなのと、自主的に何かリサーチしましたみたいなことです。宇宙エレベーターっていう構想があって、それがどれだけ実現できそうかをリサーチしたのを言いましたね。

特にYear13の最後の夏休みは、Work experienceや課外活動どうしようという相談はよく受けます。1人生徒さんでいたのは、学校の中でゴミ拾いのボランティアがあるんですけどこういうのに参加してもいいんですかとご相談いただいて、それは学部に関係なさすぎるからやっても時間がもったいないですよ、とお伝えしました。
アメリカの大学と違ってイギリスはあまり課外活動を見ないですし、字数も制限されてるから、だったら本を読んだ方が良いというふうには思います。
僕はユニセフの学校の中でのアンバサダーになって、一回ウェブの会議に参加して色々環境問題について議論しましたよというのは言いました。なので、ちょろっと端っこの方に書くぐらいで、やったことをメンションはしておいて大丈夫かなと思います。でも、本当に自分がやりたいことや大学の専攻に関係あることをやっぱりメインで書いて、その周りにちょっと関係あることをたくさん書いて、あと自分をもうちょっとよく見せる趣味とかボランティア活動とかあれば任意でって感じですかね。
A-level試験対策と出願の苦労
A-levelの試験対策 – 勉強のコツ
大学のホームページにもA*A*Aが条件ですと書いてあったんですけど、インペリアルとかそれぐらいのレベルだとやっぱりA*4つ取りましたみたいな人がたくさんいるわけじゃないですか。そういうのを想像できたので、やっぱり全部A*目指すべきだなと思って勉強していました。
ちゃんと先生がコツコツプランを立てて授業をしてくれて、宿題とかも出してくれてたので、それには一応乗っかって、最後の方にはちゃんと自主的に過去問解いていました。自分の考え方として、過去問が全てを制すと思っています。過去問を見ない限り、たとえどれだけ教科のこと理解していたとしても問題が解けないと思っているので、過去問はしぬほどやっていましたね。

別でインタビューをしたRinkaさんも、過去問しかむしろやらなかったと言ってたので、本当に過去問は一番大事です!学校でも最後イースター(春休み)辺りになると授業も全部教え終わって、過去問を授業の中でやるようになってくるので、それに加えて自分でもちゃんと時間を計ってやったり反復したりするのが一番大事ですよね。
理系に限った話かどうか分からないですけど、基本的に無料でアクセスできる過去問しかやってこなかったので、直近の3年間ぐらいは載ってないんですね。ちゃんと公式のPearsonとかのサイトに行って教師用のところにログインしてお金払って、とかやったらアクセスできるんですけど。そこまでしなかったので、それ以前のものをバーっとやって、イースター終わりに先生がくれる最新の過去問をやって、最終的な準備が整っていました。割り振り的にはすごい良かったかもしれないです。
なので、学校のスケジュール通りちょっとずつ進めていって、一番最後で学校から出される過去問で最後準備をするのと自主的に過去問をやって、それが最終的にいい感じに合体するようにプランしたらそれがベストですかね。
出願で大変だったこと
一番大変なことはパーソナルステートメントかなと思いますね、やっぱり。僕の場合はチューターの人に密着してもらって、とりあえず書いてみてって言われて、文字数を気にしないでめちゃめちゃ書いて、6回ぐらいバージョンアップしてぎゅって圧縮したっていう感じです。
最初にたくさん書いて削っていくやり方じゃないと、最終的に500 wordにした時に中身がスカスカになるんですよね。倍以上ぐらい最初に書くと、最終的には同じ内容でちゃんとしたものができます。
後編はこちらから – 「インペリアルでのスケジュール」「機械工学科の勉強」「サークル/部活動」「就活」「ロンドンの通学/住まい事情」について話しています!
この記事のもとになっている対談はこちらからご覧いただけます!
イギリスの大学出願について解説している動画:
Imperial College London 公式サイト:
