インペリアルカレッジロンドン機械工学科【留学生インタビュー】

Shunichiroです。
Imperial College London(インペリアルカレッジロンドン)のMechanical Engineering(機械工学科)に入っていまして、2年がちょうど終わったところです*。MEng(工学修士)というMaster(修士)まで取れる4年のコースです。
*2024年8月時点

この記事は【後編】です。記事の最後に前編のリンクを貼っているので是非一緒にご覧ください!
インペリアルカレッジロンドン機械工学科での学び
大学での1週間のスケジュール

まず普通の授業(レクチャー)の話をすると、1コマ1時間設けてあるんですけど、50分授業プラス休憩10分が9時から5時まで何ブロックか入ります。入っている時はみっちり9時から5時までずっと8コマくらい入っていますが、ない時は1日1コマとか2コマとかっていう日もあります。基本的に水曜日が半日だけで、午前中9時から12時ですね。
朝9時から5時までレクチャーがある日は、1年の時は週1回ぐらいで、2年生になったら週2回ぐらいになったので、2年生が一番きついです。

そうなんですね!私がいたBiomedical Sciencesは、1年生の時一番レクチャーが多かった気がします。1年生はレクチャーがヘビーで、しかもMedicine(医学科)の人と一緒に聞くのが多くて、2時間の長いレクチャーも結構ありました。
2年生からは自分のコースだけになって、1コマ1時間が1日1時間、2時間、またはないみたいなぐらいだったので、インペリアルの中でも少ない方だったと思います。
普段の授業がそうやって入っていて、プラスでラボ(実験)やプロジェクト関係のものがロングタームであります。例えば2年の時で言ったら、大きなプロジェクトが秋学期と春学期(1学期目と2学期目)1個ずつあって、どちらも10週間ぐらいなので、毎週何かしら週1回、2時間とか3時間とかがどこかしらに入っているっていう感じです。
レクチャーもありつつ、でも基本的に何かしらのプロジェクトはずっと起こっていて大変です。普段の授業とプロジェクトと両方が同時並行しているので、結構マルチタスクです。
プロジェクトとラボ
プロジェクトは2年は4-5人のグループでしたが、3年からは大きなプロジェクトが6種類ぐらいあります。自分たちで選べるのか割り振られるのかわからないんですけど、30人ぐらいの大きいグループがあって、その中でさらに5人の固まりに分かれます。
直近でやったものだと、圧縮された空気が入ってる金属の缶(容器)があって、それと小さいタイヤだけ4つ与えられて。ワークショップがあるので、あとは自分でそこで圧縮された空気で動く車を作るっていうプロジェクトがありました。なんだかんだ10メートルぐらい動いて、200人だから5人のグループが40個ぐらいあったんですけど、その中で6位ぐらいでしたね。今まで勉強したことをフル活用してっていう感じで、結構楽しかったです。
プロジェクトに関しては、選択科目関係なくまた別であるので、機械工学を取っている人はみんな同じことをやるっていう感じです。授業と繋がっているラボのほうで、特定の科目にくっついています。

ラボはChemistry(化学科)とかでやる実験とだいぶ違うと思うんですけど、半分ぐらいデモンストレーションです。こういう機械があって、これはこういうことをしますよって実験に必要な理論とかを教えてもらって、実際に実験をやってデータを取ってっていう感じです。その後に必ずあるLab report(ラボレポート)は大変です。
3年の選択科目
2年までコース全体で授業を受けて、3年から選択科目になります。

3年の選択科目は、1-2年でコース全体で勉強してきたモジュール(分野)の中から、さらに専門的に勉強したいものを選ぶ感じですか?
1-2年でまず10個ぐらいのモジュールがあります。機械工学の場合は結構多くて、数学、プログラミング、電気系のこととか、力学とかいろいろあります。3年からは、まず3つあるメインのテーマの中から1つ選びます。その中にそれぞれ2つずつ、1-2年でやったことがベースとなっているモジュールがあります。プラスでたくさんほかにあるオプションの中から3つを選ぶので、既に入っている2つプラス3つで、合計5個取ることになります。

希望を出したところに必ず入れるようになっているのでしょうか?Biomedical Sciencesの場合は、人気のあるコースは倍率が高くて入れないのもありました。
大体は行けるようになっていると先生は言っていました。うちの学部の場合は講堂がめちゃくちゃ大きくて、200人学部にいるんですけど、みんな入れるサイズではあるんですね。だから、一番人気とかコアになっている、メインの3つの選択肢の中に入ってるモジュールとかは、そういう大きいところでやるようになっているはずです。
課題はどれくらい出る?
Lab reportが1年も2年も秋学期に1個、春学期に3個あります。全部2000 wordぐらいで、1週間程の期限が与えられます。プラス、プロジェクトは定期的に1週間おきとかにグループで集まって議論して、Lab bookというのにその内容や技術的に検討したところもメモを残して、それが最終的にチェックされます。さらに、最終的に出来たものも評価されます。
3年と4年は、プロジェクトのExhibition(展示会)を大学のメインの入り口のところでやります。実際の作ったものが置いてあって、どんな人でも来れるので、その場にいて質問されたら答えるっていう感じです。それが3時間ぐらいあって、教授とかもふらっと見に来て質問したりみたいなのがありますね。
試験について
12月にProgress testというのがあって、最終試験が5月か6月にあるので年2回だけですね。Progress testは本当に今までやったことを理解してるかっていうだけのテストなので、全体の成績で言うと5%とかなんですよ。ほぼノーカンみたいな。
試験はモジュールごとにあって、基本全部ペーパーテスト(筆記)です。普通の紙の試験が今年は全部1時間半のテストでしたけど、来年は3時間とか、ものによったらあると思いますね。エッセイではなく、ちゃんと数学とか物理の問題を解きます。

それがバイオ系の学部と全然違いますね!私はオールエッセイだったので、それがA-levelまでと違って慣れなかったんですよね。
特にエッセイになると、Outside readingとかresearch*の証拠を見せないと1st*を取れないんです。レクチャーの内容を100%アウトプットできても2ndまでしか取れないっていうのは先生からも言われていたんですが、そこがすごい苦手で難しいなって感じていました。
Engineering(工学)系だとMaths(数学)とかそういうほんとに昔ながらのって感じで、形式的には高校から全然変わってないので、過去問も大学が出してくれてやっぱり過去問で対策していましたね。
*Outside reading/research=授業外で自主的に文献を読んだりリサーチすること。自主研究。
*1st=一番良い評価。70%以上の点数。
サークル活動と就活
Japanese Society(日本人サークル)
一番大きいのは日本人サークル「Japanese society」で、2年生の時に1年間副会長をやりました。みんなからあまり仕事してないって言われたんですけど(笑) 会長のサポートをイベントとかあったらするっていうのと、キャリア系の就活情報を広めたりとか、そういう仕事がありましたね。
就活情報に関しては、代々繋がっている企業があって、向こうから連絡してくれます。こういうイベントがあるのでぜひ来てくださいとか、インスタで公式のアカウントで広めてくださいとか、そういった依頼があります。実際に3回ぐらいインペリアルに来てもらって説明会をしてくれましたね。

私の時はFacebookグループで情報がまわっていたんですけど、今は何を使っていますか?
FacebookとLinkedInで今までやってたんですけど、誰も見ないだろうっていうことで僕の時からインスタにして、キャリア用のアカウントを作りました。インペリアルの他にKCL(キングスカレッジロンドン)とかUCLとかもキャリアアカウントはあるので、今までインペリアルだけやっていないとしたらようやく追いついたなっていう感じかもしれないですけど(笑)

Baseball Society(野球サークル)
Japanese Society以外ではBaseball Societyにも入っています。コミュニティで言ったら、アメリカ人と韓国人と日本人がやっぱり圧倒的に多いですね。バレーボールとバドミントンはちょっとだけやっていましたが、継続してはやっていないですね。

野球があるの知らなかったです!試合も出るんですか?
イギリスだとマイナーすぎて、クリケットの方が全然メジャーですもんね。野球は試合に出れるんですけど、結構へき地なので他のことをやっぱり優先してあんまり出てないですね。
サークルにいるのは30人ぐらいなんですけど、毎回練習に来るのはちょうど1チーム9人できるぐらいかなっていう感じです。練習はHyde Parkの芝生のところでやっています。
海外大学生の就活事情
インペリアル生の就活

私の前後の代は、卒業したらそのまま外資コンサルや投資銀行に行くっていうのが王道でした。インペリアルカレッジロンドンは理系大学だけど関係なく、そういうお給料が高いところに行くパターンがほぼ100%でした。
最近は大学院まで行ってMaster(修士)取る人が多いって聞いたんですけど、実際はどうですか?
みんな就活はしていて、大学院に進んでDoctor(博士号)まで取るって言っている人はほぼ聞いたことがないですね。4年のコースの人(修士課程込みのコース)と、3年のコースでも4年目Master(修士号)をやるっていう人はちょこちょこいますね。
日本からキャリアイベントに来る会社はコンサルとかが多くて、ボスキャリとかロンキャリでもどうしてもコンサル、商社が多いですかね。僕の場合はもっと技術系の方がいいかなと最初思っていたので、まだコンサルはわからないです。
ボストンキャリアフォーラム
今年(3年生の時)はボスキャリに行こうとしています。行った方が、2日3日潰れるかもしれないですけど、やっぱりコンサルとか可能性をちょっとでも残したいなら行っておいて損はないのかなとは思っています。
印象が良かったらご飯に連れて行ってもらえるって聞いたんですけど、それがもうオファーみたいな感じなんですか?

大体ボスキャリの前にオンライン面接をするんですけど、2次面接を会場でやることが多いです。金土日での開催の前にディナー呼ばれることもあって、私は木の夜にディナーに行って、次の日にパートナーという部門長と面接をして、そこで今日もディナー来る?みたいな感じでもう一回行きました。その2回目のディナーのところでオファーを渡されました。
ボスキャリに行ったら結構な確率でオファーもらえるから、特に正規留学してる人は圧倒的に有利だと思います!その場でオファーをもらえたり、ディナーでもうちょっと近い距離で担当の人と話せる機会がありますし。しかも、ロンキャリよりも圧倒的に規模が大きいですよね。
周りもみんな行くんですか?
日本人は大体行くのかなと思います。今の時点で、多分半分ぐらいの人はイギリスもしくはアメリカとかの就職も考えていますね。僕も一応いろんな選択肢は考えているんですけど、住むなら日本が一番良いかなと思っています。一番メンタリティ的には日本人だと思っているので。
インターンシップ
この夏(2年生の夏)はインターンを日本でやったんですけど、せっかくだから来年はイギリスでやりたいなと思っています。今年はごりごり重工系の、機械工学の方で1週間と2週間、それぞれ2回やりました。設計を少しと、製造がメインですね。
やってみて苦ではないなっていうのが分かったので、もしコンサルとか、来年仮にインターンやってみてダメでも、まだ逃げ道があるというか心理的な余裕はできるかなとは思います。
ロンドンでの通学と住まい事情

2年入ってから寮を抜けて友達とシェアハウスするようになって、家がちょっと近くなったので自転車で通える距離なんですよ。Hyde Park(ハイドパーク)を突っ切って大学に行けるので、そこから自転車を使い始めました。
Notting Hill(ノッティングヒル)の方に住んでいるんですけど、ハイドパーク入るまでが怖いですね。ヘルメットを付けてますけど、車道走らなきゃいけないので。ノッティング’ヒル’っていうぐらいなので坂のアップダウンがすごいです。

そのエリアは素敵な住宅街とか素敵があるイメージです。お洒落なところですよね。
1年目はどの寮にいたんですか?
North Acton(ノースアクトン)のWoodwardです。Central Lineなんですけど、ノッティングヒルで一回乗り換えないといけないです。ノースアクトンにはWoodwardとKemp Porterという寮が2つあるんですけど、その2つが多分一番大きいので、1年生は人数的にはNorth Actonの割合が多いと思います。
2年目からはコースメイトと3人でシェアしています。僕はノッティングヒルの北の辺りで、それより北へ行くとだいぶ怪しい感じなので、ぎりぎりの所ではあるかなと思います。3つベッドルームがあって、リビングとかキッチンはシェアです。3年目も同じ所に住むんですけど、コースメイトなので時間割りとかも大体同じで、そういう意味では楽ですね。
英国大学を目指す人へのメッセージ
イギリスの大学は内容的にはとてもハードだと思います。ただ、やりたいことがこれだって決まったらすごく楽しめる環境ではあると思うので、日本の大学とはまた違った楽しさがあって面白いと思います。なので、もし行けるオプションがあるなら絶対に選んだ方がいいかなと僕は思います!
これからのShunichiroさんの更なる活躍が楽しみです!
Shunichiroさんはモアエデュケーションの講師も務めていただいているので、オンライン家庭教師にご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
前編はこちらから – 「GCSEとA-level」「インターでの高校生活」「英国大学の受験」「ケンブリッジ大学・インペリアルカレッジロンドンの入試」「パーソナルステイトメント」について話しています!
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イギリスの大学出願について解説している動画:
Imperial College London 公式サイト:
